たのはしです。私は東京で開催される「賃貸経営フェスタ」に時々参加します。不動産経営のトレンドがわかるし、刺激がもらえて「よし、がんばるぞ!」とパワーが出ます。
そこでは、たくさんのセミナーが開かれています。しばしば「10棟100室を所有、年収●億円」などの肩書を持つ「スーパー大家さん」が講師となり、賃貸経営のノウハウをお話ししてくれます。
この肩書だけ見ると「おぉ、すげーなー」という印象を持つ人が多いと思います。
実際に自分が大家をやっているからかもしれませんが、私は少し意地悪な見方をしてしまいます。「もっと他の情報も出してほしいな」と。
1,いくらローンを払っているのか。
2,ローンの総借入金額、残高はいくらか。借入期間は?
3,出口戦略はどう考えているのか。(途中で売却するのか。)
1, いくらローンを払っているのか。
満室に近い経営をしていても、収入の半分程度はローンで持っていかれるケースが多いと思います。
年収1億円でも、手元に残るのは5千万円です。
そして、築年数を重ねて、ローンの残高が少なくなってくると、税金が重くのしかかってきます。
しっかりキャッシュをためて、節税の知識を高めておかないと、経営が息切れしてしまいます。
賃貸不動産経営は「税金との戦い」といっても過言ではないでしょう。
2,ローンの総借入金額、残高はいくらか。借入期間は?
仮に、年間の家賃収入が1億円で、利回り10%だとすると、総借入金額は10億円です。収入の半分、5千万円をローン返済で持っていかれるとすると、手元には5千万円が残ります。
つまり、この大家さんは「年収が1億円だけど、負債が9億5千万円残っている」ということになります(汗)。
30年ローンで新築物件を購入したら、だいたいこんなイメージだと思います。
3,出口戦略はどう考えているのか。(途中で売却するのか。)
先ほども、お話ししましたが築年数を重ねると、節税対策が重要になってきます。主な理由は以下の2つ。
減価償却費が減ってくるから。ローンの金利も減ってくるから。
途中で経営が苦しくなってくると、物件自体を売却してしまう人がいます。もし、スーパー大家さんの出口戦略が「物件の売却」であるなら、その肩書は「大家さん」ではなく「不動産の投資家」です。
つまり「物件を売却する」ということは「 賃貸経営を投げ出してしまう」ことです。
なので、そのような人は「賃貸経営の講師」ではなく、「不動産投資の講師」ですね。
まとめ
会社でたとえると、分かりやすいです。一部上場企業で社員が何万人もいるような大会社でも、業績が悪ければ、倒産してしまいます。
大家さんも同じで、所有物件の規模と年収だけを見ても、実態はわかりません。
たとえ小規模でも、しっかり物件を管理して、税金についての教養も持ち合わせた大家さんもいます。そんな人に出会って、アドバイスをもらいたいです。
たのはしでした!